サモア
Activity Report from Samoa Vol.05 (2018 October – December)
by シャネル・ヴァン・ダイケン、マリア・フィアソソ・サパチュ(CIサモア)

盛りだくさんの3か月!

新着状況:

アイガ・レイ・パタ地区でのガーディアンキャンペーンを実施する10月上旬に、CIサモアは、プロジェクトのドナーである経団連自然保護協議会の視察団を迎えました。18人から成る視察団の訪問目的は、サモアがどのように自然と調和した生活を送っているのか、そして、サモア初の体験学習型環境教育プログラムである、ガーディアンキャンペーンを体験することでした。視察団の方々には、CIサモアとパートナーが築きあげた、まるで家族のような雰囲気の中、キャンペーンに参加した子供たちが積極的で夢中になっている様子にプログラムの成功を感じて頂けたと思います。


経団連自然保護協議会の視察団のみなさん

参照リンク1:
http://www.samoaobserver.ws/en/05_10_2018/local/37341/Japanese-conservation-delegation-visits.htm

参照リンク2:
https://www.mnre.gov.ws/keidanren-committee-on-nature-conservation-kncn-assists-samoa-towards-the-sustainable-developments-in-our-biodiversity

この3か月間の活動

10月1日から5日間、CIサモアとパートナーたちは、ウポイ島南西部に位置するアイガ・レイ・パタ地区でガーディアンキャンペーンを実施しました。ムイファヌア、アポリマ-ウタ、マノンアウタ、サルア、ファレウそれぞれのヴィレッジから5つの小学校の8歳~12歳の子供たち、総勢120名が参加しました。

参照リンク3:
http://www.samoaobserver.ws/en/08_10_2018/local/37433/Guardians-make-an-impact-at-Aiga-I-Le-Tai.htm


アイガレイタイ地区でのキャンペーン実施

ガーディアンズキャンペーンをさらに広く知ってもらうために、CIサモアは、10月25日にサモアの農林水産省が主催したアグリショーにブースを出展しました。ブースでは、ガーディアンキャンペーンの他に、短期集中生物調査(Rapid Biological Assessment :RAP)など、CIサモアが政府と協働している他のプロジェクトについても紹介されました。こうしたプロジェクトの結果を報告することは、サモアの農業界および漁業界に対して、環境保全の重要性を伝えると同時に政府との協働を強調するという点で、とても良い機会となります。


アグリショーのブースにて

2か所、計13ヴィレッジでのキャンペーンを通じて、国家レベルでの素晴らしい成果を上げたガーディアンズキャンペーンは、サモアの他地域からも同様の教育プログラムを実施してほしい、と依頼を受けるようになっています。
10月27日、CIサモアとサモアボヤジングソサイエティのメンバーは、ガーディアンズキャンペーンの一つである「サモアンボヤージャー」プログラムを紹介するため、ユネスコの地域ワークショップへ参加しました。

ユネスコのインタラクティブエデュケーションツール「カヌー イズ ザ ピープル」と、私たちのモジュール「サモアン ボヤージャー」には高い親和性があることから、ユネスコは非常に関心を頂いており、ワークショップでの紹介を依頼されました。このユネスコ太平洋ワークショップには、ツバル諸島、キリバス共和国、トンガ共和国、クック諸島、ニュージーランド、そしてもちろんサモアから参加者が集まりました。


ユネスコ太平洋ワークショップ

「サモアン ボヤージャー」を紹介すると、ワークショップの参加者からはとても感謝されました。そして参加者がそれぞれ自国版の開発に高い関心を寄せました。こうしてユネスコとの繋がりを強めていくことで、2019年の住民主体型教育プログラムへファンドレイズの機会が増えるのです。

この他、パートナーシップの強化につながった動きとしては、10月29日~11月1日にかけて実施されたSCSによる「環境チャンピオントレーニングコース」の実施をサポートしたことです。トレーニングの目的は、若手クルーの意識を高め、様々な知識を身に着けてもらうことでした。SVSのメンバーとともにガーディアンズキャンペーンのプログラムをデモンストレーションしました。

参照リンク5:
http://www.samoa.conservation.org/single-post/2018/11/28/Grooming-new-environmental-champions

11月21日、CIサモアはサモア環境天然資源省(MNRE)からの依頼で、ピース・チャペル・クリスチャン・プライマリースクールとともにMNRE主催の植林イベントへ参加しました。イベントで私たちは、ガーディアンズキャンペーンの一つで森の大切さを学ぶプログラム、「ツリーガーディアン」モジュールを披露しました。
このイベントは、サモア政府が掲げる、人々の意識啓発のための「200万本の植林」イニシアティブの一環でした。私たちは、小学生たちとともに900本の在来種の苗木を植えました。


子供たちと植林活動

11月後半、CIサモアはアピアに滞在している、ザ・レース・フォー・ウォーターオデッセイ(R4WO) (ソーラーパワーを搭載したカタマランヨットのレース)のメンバーたちとともに、ガーディアンズキャンペーンの、特に「トラッシュスター」モジュールについて意見交換する機会を得ました。R4WOは、海洋保全をテーマに、海がさらされている脅威や、海洋汚染を最小化し、グリーンエネルギーの革新的な方法について、ハイテクヨットを使って意識啓発活動を行いながら世界中を周っているグループです。

参照リンク6:
http://www.samoaobserver.ws/en/26_11_2018/local/38837/Race-for-Water-Odyssey-docks-in-Apia.htm

その他にも、11月と12月の間は、ガーディアンキャンペーンのプログラムモジュールや、そのティーチング技術を国家のセカンダリー・プライマリスクールの教育要綱へ導入することを検討している、文部・科学・スポーツ省とたくさんの議論を交わしました。このことは、地域レベルの成功だけではなく、政府リーダーたちから、サモアの子供たちへの環境教育を‘ガーディアン的な’やり方で教えることに多大な関心を得ことができたという点で、国家レベルでの成功を目指したガーディアンキャンペーンにとって一つのマイルストーンとなりました。

参照リンク7:
http://www.samoaobserver.ws/en/10_12_2018/local/39268/Guardian-Campaign-lessons-to-be-imbedded-within-school-curriculum.htm


サモアンボヤージャーを紹介

ガーディアンキャンペーンプロジェクトの総括を兼ねて、CIサモアは、サモアボヤジングソサイエティ(SVS)およびThe Uto niYalo(UNYT)-フィジーのボヤジングソサイエティ‐とともに、プログラムに関する様々な意見交換の会合を行いました。この会合は、太平洋地域環境計画事務局(SPREP)とともに国連環境計画(UNEP)の資金援助を受けて実施されました。CIサモアのマリンディレクター、シャネル・ダイケンは、SVS 7人のクルーをフィジーへ連れて、Guardiansキャンペーンの特徴および手法、そして、SVSの担当領域、SVSのスタッフが受けた教育トレーニングについて発表し、また逆にUNYTのもつ知見についても学びました。 その後、3名のUNYTメンバーは、サモアに一週間滞在し、ガーディアンズキャンペーンについてより多くを学び帰国しました。

同じ週に、CIサモアはSVSおよびUNYTメンバーそれぞれの活動を簡単に紹介し、ガーディアンズのキャンペーンとカリキュラムの詳細を説明する目的で合同ミーティングを開催しました。活動紹介されたパートナーには、MNRE、青少年気候行動ネットワーク(YCAN)、SPREP、SCS、およびUNEP(UNEPパシフィックオフィス)が含まれています。 すべてのパートナーがお互いの成功、課題、革新的なアイデアを共有し、そこから学び、現在のプロジェクトをさらに強化することができたので、会議は大成功でした。

課題

1回目のキャンペーンを行ったプロジェクトサイトで直面した課題、例えばロジスティックなどは、アイガ・イ・レ・タイ地区でのキャンペーンの流れを改善するのに役立ちました。アイガ・イ・レ・タイでは、キャンペーンは学校が休みの期間中に行いました。敢えてこの時期に実施したのは、ロジスティックや運営、周囲のコミュニティの出席者数を、授業期間中の7月にキャンペーンを行ったアレイパタ地区と比較するためです。アイガ・イ・レ・タイ地区では、出席した子どもの人数と年齢層に矛盾が見られましたが、これは多くの子どもたちが期間中に学校以外の場所に行く必要があったことと、時間に制約のない小さい子どもたちが任意参加していたためです。このことがキャンペーンの計画作りを複雑にしました。ロジスティックに関しては、全チームをキャンプ場に集めてキャンペーン会場とすることで効率が上がるとわかりました。
次回、別の地区でプロジェクトを行う際は、授業期間中に実施する予定です。これによりターゲットとなる児童、教師を取り込み、キャンペーンの計画、実行が簡単になります。休校期間は、サモア教育スポーツ文化省の教員を対象としたトレーニングのような、必ずしも校舎で行う必要のない活動に充てる予定です。

次の3か月間の活動について

• アイガ・レイ・タイ地区のキャンペーン中に実施された、ガーディアンキャンペーンのフィードバック調査(紙ベース)の編集と分析。

• ガーディアンキャンペーン用の情報パッケージを作成

• 2019年のガーディアンキャンペーン実施計画を立てる

• ガーディアンキャンペーンの新しいパートナーを探す

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