ニューカレドニア
Activity Report from New Caledonia Vol.01 (23/03/2018)
from マエル・イミリザルドゥ (CIニューカレドニア)

素晴らしき、マンタの発見!

ニューカレドニア初のマンタ調査プロジェクト始まる!

マンタのタグ付け

この間のマンタ・イニシアティブ・プロジェクトはとてもエキサイティングでした!私たちのチームはマンタにタグ付けして取得されたデータの分析を開始し、ニューカレドニア広域での動きも含めて、マンタの回遊に関していくつかの大発見がありました。また、エミー賞受賞、保全写真家であるShawn Heinrichsと協働して、マンタに焦点を当てつつニューカレドニアにおける自然と文化のつながりを伝えるビデオ撮影会を実施しました。このビデオは2018年にニューカレドニアにていくつかのイベントで放映される予定です。マンタ・イニシアチブ・プロジェクト実施の中心人物である博士号のユーゴ・ラゾスは、ニューカレドニアが初めて主導するマンタ研究に従事するスタッフとして順調に活躍しています。

過去3ヵ月間の活動
マンタの回遊

食料とクリーニングスポット(マンタの寄生虫などを取り除いてくれる魚がいるエリア)のある経路付近にとどまるマンタがいる一方で、以下の2つのタイプに分類できる動きを特徴とするマンタがいることが分かりました。

1.離れた場所まで遠出し、元の場所に戻ってくるもの(最大174km離れた場所まで移動します!)
2.(タグ付けした場所から)数百メートル離れた場所への移住するもの

また、タグから得られたデータにより、マンタは通常水深200m~400mの水深まで潜行する傾向があることが確認できました。(おまけになんと、世界記録の水深672mまで潜るマンタがニューカレドニアにいることが私達がタグ付けしたデータから分かりました!)なぜそこまで深く潜るのかは、未だ明らかになっていません。


エミー賞受賞フォトグラファー、ショーンのビデオ撮影
ビデオ撮影

2017年10月に、Shawn Heinrichsとともにニューカレドニアにおける自然と文化のつながりとマンタについて紹介するショートフィルムの撮影を行いました。これは、SATO YAMA UMIプロジェクトが約束している教材制作の一環です。この動画のハイライトは、典型的な配偶行動として、雄のマンタ達が配偶者として選ばれるために、成熟した一匹の雌のマンタの後ろを追いかける行動を撮影することに成功したことです。このビデオの目玉はプロフェッショナルな映像撮影に用いられるRed Cam 8Kで撮影された、素晴らしい水中動画や、地元の暮らし、インタビューなどです。この約10分間のビデオは2018年5月に公開される予定です。


プロジェクトメンバーの仲間たち。一番左がマエル・イミリザルドゥ、
左から2番目がプロジェクトの中心である学生のユーゴ・ラゾス。
一番右が、ショーン・ハインリックス。
ユーゴ・ラゾス

昨年12月に、このプロジェクトの中心人物となる学生、ユーゴ・ラゾスが、ニューカレドニア南部地方奨学金制度の学生に選ばれ、今後3年間のプロジェクト実施のさらなる支援を受けることが決まりました。論文のテーマは、「ニューカレドニア周辺地域におけるマンタ・レイの空間生態学と個体群の特性」で、公式的には2018年2月からニューカレドニア大学とクィーンズランド大学と共同研究として進める予定です。

次の3ヵ月間の活動

次の3ヵ月間では、写真IDに関してマンタ撮影や個体特定に貢献してくれるボランティアネットワークの拡大、遺伝子サンプリングの実施調整、さらなるマンタへのタグ付けに向けた資金調達や、地域コミュニティやダイビングクラブへの協力要請を実施する予定です。

プロジェクトを実施するユーゴを中心に、水族館などのパートナーとのフィールドワークを計画しながら、研究計画書を最終化する予定です。また、ニューカレドニア全域にけるマンタのタギングと遺伝子サンプリングに関して法的な許可を得るために、地元行政との調整も進める予定です。フィールドワークの実施許可を得るため、マンタでよく知られているTouho地域の地域コミュニティとの会議も計画しています。

さらに、ビデオに関しては、演出や全てのインタビューの翻訳などのプロダクションにも関わる予定です。また、2018年4月~6月の間に開催予定のアンダーウォーター・フィルム・フェスティバルなどをはじめ、各種公的イベントでこのビデオを公開・放映するための調整を実施する予定です。ビデオは、本ウェブサイトにも公開します。

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