カンボジア
Activity Report from Bhutan Vol.09 (2019 October - December)
from Samphors, Pahhy, Vorsak, Sophana

カンボジアからパニーがご挨拶!


パニーの写真

東部カンボジアのカンポンスプー州出身のパニー(24歳)です。2018年に王立プノンペン大学自然資源管理・開発学部を卒業し、出身州の機関に勤めていましたが5か月前にバードライフ・カンボジアに来ました。
ここに来てからとても感激したことは、同僚がMulp Baitongの助けを借りながら、2年間かけて一生懸命取り組んできた環境教育プログラムがついに、タケオ州の教育、若手・スポーツ部門に認められ、部門長から本プロジェクトの終了後も継続して欲しいと要望があったことです。また、5か月間で来場者が700名を超えたオオヅルの映像上映会にも感激しました。
ここでの仕事は全て新しいことだらけですが、このプロジェクトに係わる上司と同僚の助けを借りながら、オオヅル保全に関する知識や経験を得ています。今は、5か月前に比べ随分慣れ、少しだけ自信をもって普及啓発イベントを開催できるようになりました。これもバードフェスティバルのような機会を与えて下さったバードライフ・カンボジアのおかげです。今後も環境や生物多様性に関する知識の向上や英語の勉強を頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

BirdLife Cambodia Programmeの活動

飛来してきたオオヅル

Boeng Prek Lapouv(BPL)とAnlung Pring(AP)は、オオヅルの非繁殖期を支える重要なサイトです。昨年同様、オオヅル達は11月にこれらのサイトに飛来してきました。BPLでは最大50羽のオオヅルと2羽の幼鳥が記録されましたが、APでは2羽が飛来してきましたが場所の様子を伺っただけで帰ってしまいました。そして12月になって最大39羽、3羽の幼鳥が観察されました。

過去3ヶ月の活動

補習研修の様子

■環境教育プログラム

2019年10月初旬、新しい若手スタッフが中心となり、2年目の環境教育プログラムについて議論しました。また12月中旬、色々と指導してくれているMulp Baitongと更に強固な関係作り、環境教育プログラムと関係する授業作りや対象校におけるエコクラブ設立方法を共有するため、打合せをしました。
この他2019年10月、生徒用の環境教育用の教材75冊と先生用5冊を増版しました。2日間の補習研修では、各先生がまず模擬授業を行い、それに対し校長先生、他の先生やバードライフのスタッフが評価し改善に繋げました。


小学校での上映会の様子

■教育ビデオを使ったオオヅル保全

上映会は、地域住民に対し、生物多様性保全や生態系サービスの持続可能な利用を促すために開催しています。11月と12月にBPLの周辺にある村と小学校2校及び、AP周辺の2村と小学校1校で開催しました。全部で村長や地域住民などを含む805名が参加しました。ほとんどの参加者はビデオを楽しみ、質問コーナーのクイズにも答えることができています。また、イベントの中では村長や先生は保護エリアに関する法律や条例、湿地資源の持続可能な利用を推奨しています。


APの地域住民に対し音声アナウンスを実施

■農業有害廃棄物管理

管理指針を元に地域住民に農業有害廃棄物管理を7つのゴミ箱へ捨てるよう促しました。そのため、音声アナウンスを使用し、廃棄物の影響と適切な方法で行う処理の利点を地域住民に伝えました。地域住民はチームを組み、毎月モニタリングを行いゴミ箱が漏れていないか破損していないかを確認しています。モニタリングの結果、APの主要エリア以外にあるゴミ箱にはあまり捨てられていなかったです。これは、主要エリアに住んでいる人々には正しい知識が広まっておらず、また私達との協力体制もしっかり構築できていないことが分かりました。つまり、そうしたエリアの人々に対し、音声アナウンスなど普及啓発活動を強化すべきだと考えました。指針は地域に適合しており、カンポントレッチに有害廃棄物処理システムを建設できることになりました。また2020年初旬には工事が始まる予定です。


イベントに集った人々

■普及啓発イベント等

都市部若者の能力形成:2019年12月に王立プノンペン大学でバードフェスティバルと自然展示会を開催しました。テーマは、私達のために鳥類と自然を保護しようです。政府やNGOや地域住民等2,000人が集まってくれました。このイベントの主要目的は、鳥類の保全と一般市民に対し環境保全活参加を促すためです。また、私達はクイズやフォトコンテスト等を通じて学生たちが興味を持ってくれることを祈っています。

若手スタッフの能力形成: 2019年10月中旬、新しい若手スタッフは台北の關渡自然公園で開催された台北探鳥フェアに参加しました。そこで、普及啓発イベントの運営方法や適切な管理計画の構築方法などを学びました。これらの知識や経験をカンボジアの湿地管理に役立てたいと考えています。

今後3ヶ月の活動

BPLにおける環境教育プログラムの報告書を作成する予定です。また、先生方に提供してもらったデータとは別に、生徒へのインタビューや家族を集めたグループディスカッションを2020年の初旬に実施し、報告に加える予定です。また、対象校の先生をこれまで同様サポートします。
オオヅルのビデオ上映会をBPLとAPで合わせて6村で実施する予定です。カンポントレッチ地区のゴミ集積場に農業有害廃棄物処理システムを完成させ、村のゴミ箱から廃棄物を移す予定です。また、農業有害廃棄物プログラムの成果を把握するため、対象地区における廃棄物の種類を記録し報告します。更に、大学生や他のステークホルダーに対する洪水後の侵入種のミモザ駆除作業研修を、2020年1月に実施する予定です。

Mlup Baitongの活動

私はPhum Chres小学校に通っているRin Naoです。小学校6年で13歳になりました。3年前まで私は環境について勉強したことがなく、友達も環境問題やゴミ問題に全く興味もありませんでした。学校でも家庭でも生徒や売店のスタッフはゴミをどこにでも捨てていて、学校の環境はとても悪い状況でした。

2018年に私は小学5年生になり、環境問題やオオヅル保全について勉強するようになりました。学校ではSuos Thavy先生が小学生用のオオヅル保全の教科書を使って教えてくれました。この教科書は小学校の先生たちがKNCFやMlup Baitong、JEEFと協力して作り上げたものです。私は授業の一環として様々なエコ活動(ゴミの回収・分別、地域でのゴミ問題改善活動、学校での農園作り、植林、オオヅル保全など)に参加しました。また、学校だけでなく家族や近所の方々にも環境やゴミの管理の重要性を伝えるようにしていました。

とても嬉しいことに、今では生徒も売店のスタッフもゴミのマネジメントをしっかりやるようになり学校のキャンパスはとてもきれいになりました。家庭や地域でも環境問題について考えるようになっています。この活動に協力してくれた支援者や関係者に感謝したいと思います。これからも他の生徒たちと一緒に地域の環境や生物多様性についてしっかり勉強していきたいです。


学校内でゴミ回収するRin Naoさんとクラスメイト

環境について学ぶ子どもたち
過去3ヶ月の活動

■環境教育プログラム

2019年11月1日からプロジェクト対象校では新しい年度(2019-2020)がスタートしました。フィールドスタッフは年間の環境教育の授業(10レッスン)のスケジュールを10人の先生たちと相談しました。また、2020年1月から使用する教材を配布しました。11月中旬にはプロジェクトスタッフと対象校の小学校3校と中学校1校とが協力して教育バナー28枚を作成し、印刷しました。

■職員のキャパシティビルディング

2019年11月6日から8日にプロジェクトスタッフのHeng Hochがアウトカム・インパクト評価オリエンテーションに参加しました。オリエンテーションの中でプロジェクトプランニングやM&Eシステム(データ収集、評価指標の読み取り、モニタリング方法など)の向上や報告書について学びました。また、11月13日から15日にディジタルモニタリング・リサーチやKoBo Toolboxの使い方などの勉強会に参加しました。この勉強会を通してKoBo Toolboxを使ってオンライン上でアンケートを作る方法を習得できました。

■オオヅル保全

2019年12月14日にAnlung Pring保護区に近いAnlung Thnganna小学校と Koh Trout小学校でバードライフ・カンボジアのスタッフの協力の下、オオヅル保全のビデオを上映しました。252人中126人の生徒がこのイベントに参加してくれました。ビデオの内容としてはAnlung Pring保護区のオオヅルの生活や保全についてでした。


環境教育研修に関してディスカッションする教員

オオヅル保全のビデオ上映会に参加する子どもたち
今後3ヶ月の活動

2020年1月から3月にAnlung Pring 保護区へ生徒と教師を招いたスタディツアーを行う予定です。また、3月には生徒と地域住民を対象としたエンドライン調査を実施し、環境問題に対する態度についてリサーチを行います。また、対象のエコスクールとその周辺地域で環境意識向上キャンペーンを計画中です。引き続き対象校の教員たちに環境教育のための研修の実施、バードライフ・カンボジアとAnlung Pring保全アクティビティの推進化、対象校でのエコスクール活動の啓発に努めていきます。

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