プロジェクトについて
SATO YAMA UMIプロジェクトとは?
産業革命以降、20世紀において世界人口は、爆発的に増加しています。一方で、私たちの生活や社会を支える基盤である地球の環境容量は限られています。私たちが今後、持続可能な社会を築くためには、世代や地域の違いを超えて自然の価値を正しく学び、その共存と活用の在り方について認識を新たにすることが必要です。
SATO YAMA UMIプロジェクトは、このような国際社会が抱える課題に対して、自然資源の保全と活用の上に成り立つ人間社会の健全な発展を目指し、次世代の人材育成に関する重層的なプログラムを実施していきます。「生物多様性保全」「人材育成」「伝統的知識の共有」を柱とし、自然の持続可能な利用形態として国際的にも評価されている「里山・里海」に見られる日本の伝統的な自然資源の利用や社会文化にヒントを得て推進していきます。
アジア太平洋地域における、多様な環境教育プログラム
SATO YAMA UMIプロジェクトは、経済発展が著しく、自然環境の劣化が激しいアジア太平洋地域の6か国にて、湿地、森林、島嶼、環礁など、多様なフィールドを対象にプロジェクトを実施します。人材教育と普及啓発を活動の軸に、生物多様性保全、資源管理などに関する新たな教材やツールを開発し、広く共有を図るとともに、都市部ユースには、将来の環境リーダー育成プログラムを実施し、社会に対し大きなインパクトをもたらすことを目指します。
これらのプロジェクトは、異なる強みを持つ、日本環境教育フォーラム、バードライフ・インターナショナル、コンサベーション・インターナショナルの国際的な3団体が実施します。
3つのターゲットに対する
人材育成プログラム
1. 現地コミュニティ
(1) 環境教育教材・普及啓発資料
●環境教育用教材の制作
●映像資料制作
●持続可能な自然資源利用促進資料作成
●現地実施のPDCAの徹底
(2) 現地人材育成
●地域における教育・啓発活動の実施
●若手リーダー候補育成プログラムの実施
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- ブータン湿地
- ポプジカにおけるオグロヅルと地域住民の共生
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- カンボジア 湿地
- オオヅル生息地におけるオオヅル保護のための地域住民への環境教育
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- インドネシア 森林
- グヌン・ハリムン・サラック国立公園における里山保全の伝統的知見の普及
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- ニューカレドニア環礁
- マンタ・イニシアティブ
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- サモア島嶼
- シースケープ・アプローチによる地元コミュニティへの環境教育および伝統知識の共有
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- ベトナム森林
- クアンチ省とクアンビン省の学校における環境教育のための人材育成
2. 都市部ユース
(1) 環境リーダーシップ講座(仮称)
●世界トップクラスかつ環境問題の最前線で活躍する実務家による、短期集中講座
●政治、ビジネス、市民社会における将来世代のために考慮したカリキュラムを提供
(2) フィールド・インターンシップ
●本申請事業が対象とする該当プロジェクトでのフィールド実習
●地域コミュニティにおける交流プログラム
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- 対象
- 間接的に生態系サービスの恩恵を受ける都市部ユース
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- 実施国
- カンボジア インドネシア ニューカレドニア
サモア ベトナム
※インターンシップ実施国、プログラム内容は変更する場合があります
3. 一般市民
(1) 国際ワークショップ・シンポジウムの開催
●本申請事業で獲得した成果や知見のプロジェクト参加者間での共有
●本申請事業の成果を一般市民へ周知と共有
●プロジェクト実施6か国・地域やユース参加者のシンポジウムへの招聘
(2) 既存のSATOYAMAイニシアティブや
生物多様性活動推進組織との連携
●IPSIの協働取組申請、定期会合における報告会の実施要請など
(3)専用ウェブサイトの構築
●公式ウェブサイトを構築し、定期的に進捗状況を更新