ロンバ(Lomba)
Bhutanese enjoy traditional food during the celebration
西ブータンのパロ県とハ県では毎年、ブータンカレンダーの11か月と29日目(日本のカレンダーで2018年は12月6日)は、特別な日“ロンバ”です。ロンバはこの地域で最も大切なお祝いです。
ロンバは、彼らにとってお正月です。ですから家族や友人が集まり、宴会やゲーム、小規模な式典を行い、厄払いをして健康で幸せな新年を迎えるようにします。
薬水入り石焼のお風呂
またこの日はパロやハの人々の共通のお誕生日でもあります。この日は皆、1歳年をとります(日本の数え年と同じ考え方ですね)。ロンバの直前に産まれた赤ちゃんは、9か月間お母さんのおなかの中にいたので、2歳とみなされます。
かつてロンバは、「年末大掃除」の機会としても重要視されていました。家族で家中を清掃し、全ての衣類を洗濯し、そしてメンチュ(薬水入り石焼のお風呂)に入っていました。現在は、こうしたことは日常行われていますが、お祝いの前にパロやハの人々は今もなお「年末大掃除」を行っています。
ブータン人のごちそう「ヒュンテ」
チリとチーズで作った「エマダチ」
ロンバは幸先の良い日なので、食べ物は重要です。ハ県では、家族で「ヒュンテ」を作ります。ヒュンテは、餃子のようなもので、蕎麦粉で作った皮にバターで炒めた乾燥したカブの葉、チリパウダー、胡椒、えごまとチーズを詰めたものです。他の地域に住む親戚や友人、に贈るために十分な数を作ります。また、唄を歌いながら家から家へと訪れ、家の人々や家族にとってよい一年になるように祈ってくれる地域の子供達にも配ります。
他の地域で暮らすパロやハの多くの人々はロンバの休暇をとり、新年を家族と過ごすため帰郷します。
これまでの3か月間の活動
2018年6月初旬にプナカで行った協議会に参加したメンバー
2018年6月初旬に教員から環境教育用の教材に関する意見を求めるため、第2回協議会をプナカで行いました。この会議後、ハンドブック”Follow that Stream”作成を民間企業に外注し、現在内容のレビューを行っています。さらに、環境教育ガイドブックとSmart Living Tips の初稿を完成させ、現在RSPN内部で検討しています。
これまでビデオ制作に携わってきたRSPNの職員が退職したので、ビデオ制作・編集を外注し、2019年1月中旬に完成させる予定です。ゾンカ語に訳されたフィールドガイドを500部印刷して、地域住民に配る準備ができました。オグロヅルの成鳥の生体構造を示すポスターやツルと湿地そして地域住民の共存に関するリーフレットの最終版が完成し、内部で最終チェックをしています。また、ビジターセンター内の展示物を更新するため、現在内容を構築しています。
次の3か月間の活動
• 2019年1月には、プナカでポプジカ谷、パロやティンプーの環境科学や環境とネイチャークラブを担当する先生達を集め第3回目の協議会を開催します。そこで、”Follow that Stream”の内容について議論します。その後、コメントやフィードバックを反映させた第2草案と最終草案をRSPN内の出版審査委員会に提出し承認を得ます。
• 3月末までに、全ての環境教育用の教材を印刷します。
• 2019年1月中旬までに、普及啓発用のビデオを完成させ出版審査委員会に提出し承認を得る予定です。
• ポスターとリーフレットの印刷を2019年2月までに行う予定です。また、環境メッセージが書かれたTシャツも作成する予定です。
• 2019年3月末、ポプジカ谷を訪れ、地方自治体、学校、宗教団体を対象に、オグロヅル、湿地と地域住民の共生に関する普及啓発のイベントを開催する予定です。