マンタ・イニシアティブ
ニューカレドニア
活動レポート
プロジェクトについて
マンタはニューカレドニアの象徴的な生物です。ウベアのように伝統文化的な価値観が未だ強く残っているいくつかの地域において、マンタは信仰の対象となっています。マンタは、この地域において人を惹き付けてやみません。世界中でマンタの生息域が脅かされる一方で、ニューカレドニアは今でも繊細なマンタ個体群に対して健全で安全な生息地域となっています。しかしながら、繁殖地や餌場、移動経路、個体数など、マンタに関する知識の多くは未だ解明されていません。マンタ保全の効率的な管理を実現するためには、これらの場所をくまなく地図化する必要があります。ニューカレドニアだけでなく、より広範囲の大平洋諸島地域にわたるマンタの生息域を把握するために、マンタに関するさらなる情報が必要です。コンサベーション・インターナショナルは、現状のデータのギャップを評価し、ニューカレドニアにおけるマンタの保全をサポートするため、2015年にマンタ・トラスト、ニューカレドニア・ラグーン水族館とともに、「ニューカレドニア・マンタ・イニシアティブ」を発足しました。このパートナーシップによる取り組みでは、地域住民の環境に関する知識を強化し、一般市民の参加を促しながら、科学的知見を用いて地元の行政や各委員会をサポートし、マンタの生態に関する普及啓発を実施しています。本プロジェクトは各行政機関の管理メカニズムへのより効果的なマンタ保全活動の導入につながり、ニューカレドニアの海洋経済モデルとして、エコツーリズムを軸としたマンタ保全のベストプラクティスを促進することで、マンタとその主要な生息環境の保全に貢献します。
スケジュール
1年目
- 1
- -マンタのID写真データやデータ分析、遺伝子サンプリング、公的なイベントでのプレゼンテーションなど、プロジェクトを実施する博士号学生の選定とそのトレーニング
-マンタのデータ収集や編集作業を行う修士課程学生や水族館ボランティアなどのボランティアとの調整やトレーニング
-マンタの認知度向上やID写真データベースの画像収集の強化、写真による個体識別作業への旅行者の参画など、ダイブショップ等とのネットワーク構築
-マンタの生息現場にアクセスするための地元の関連団体とのパートナーシップ構築と、写真による個体識別やマンタの生態学に関する知識の向上などの能力開発
-既存のコンプライアンスへの準拠やマンタのさらなる保全の法制化を支援するためのニューカレドニア政府や各自治体とのパートナーシップの構築
-地域コミュニティの会議の開催や、展示会や行事、公開会合などの公的イベントへの参加
2年目
- 2
- -ボランティアとの調整やトレーニングの継続
-一般市民やダイブショップ等によるマンタのID写真の収集などの写真データベースのさらなる拡張
-地域コミュニティの会議の開催や公的イベントへの参加の継続(水族館でのシャーク・ウィーク期間中のマンタをテーマとした認知度向上施策を含む)
3年目
- 3
- -博士号学生のマンタの評価や研究論文作成などの支援
-一般市民やダイブショップ等による写真データベースのさらなる拡張の継続
-地域コミュニティの会議の開催や公的イベントへの参加の継続
ゴール
-マンタに対する理解を促進するため、地元の科学的なキャパシティを強化する
-マンタのID写真データベースと科学的理解の改善を行う
-積極的な広報と教育活動により、一般市民へのマンタの認知度を向上させる
現地パートナー
- CI New Caledonia
- The Aquarium des Lagons
- The Manta Trust foundation
- University of New-Caledonia