ブータン
Activity Report from Bhutan Vol.02 (2018/05/02)
from Ugyen Choden

今年もポプジカ谷がオグロヅルを送り出しました

 

春は、長い冬に終わりを告げ、自然が目を覚ます季節です。しかしポプジカ谷にとって春は、悲しい季節でもあります。それは春の訪れと共に、天空の雄大な鳥、オグロヅルが谷を去ってしまうからです。彼らはブータンに10月頃飛来してきて、2月の終わり頃北へと旅立ちます。ブータンに滞在している間彼らは、自然湿地や収穫後の畑で餌を獲ります。今年は77羽の幼鳥を含む626羽のオグロヅルがブータン国内で記録されました。そのうち504羽はポプジカ谷で記録されました。そして、約50羽がまず2018年2月27日に谷を去り、その後他のオグロヅル達も去っていきました。しかし、1羽の幼鳥だけが3月の最終週までポプジカ谷に残っていました。

これまでの3か月間の活動

この3か月、私たちは環境教育の資料の改訂や作成と共に、他の資料の確認を行いました。既存の環境教育の資料が、小学4年生から高校1年生の生徒用に合っているかどうかを調査するため、3月初旬に教員を対象とした要望調査ワークショップを開催しました。2日間のワークショップには、ティンプーやパロから9人の教員が参加し、既存の3冊の資料の見直しを通じ、生徒たちに理解できる内容かどうかを検証しました。その際に教員から出た意見をまとめました。


私たちは、3月中旬に事業対象地のポプジカ谷を訪問し、オグロヅルとその生息湿地、そして地域コミュニティーの共生に関する普及啓発用のドキュメンタリーを撮影しました。オグロヅルや湿地等ほとんどの撮影は終えることができました。また、今回の訪問で地域住民や学校の生徒たちにインタビューを行い、オグロヅルやポプジカ谷を取り巻く平穏な環境に対する印象について聞くことができました。しかしポプジカ谷の美しい春を撮影するにはまだ早すぎたので、再度訪問する予定です。


2018年3月下旬、SATO YAMA UMI プロジェクトの日本側の担当者たちが、RSPNの事務所とポプジカ谷を訪れ、プロジェクトに関する打合せ等を行いました。これにより、プロジェクトに対する私たちの理解が深まる良い機会となりました。

次の3か月間の活動

これからの3か月間、私たちは環境教育用の参考資料作成に集中し、初稿に取り掛かる予定です。また、環境教育資料の完成に向け、教員たちとの打合せを重ねたいと思います。普及啓発用のドキュメンタリー制作に関しては、地域住民や生徒たちのインタビューを翻訳し、ナレーションを完成させる予定です。動画のドラフトは5月に完成させたいと考えています。

TOPへ