2018年11月半ば、マラサリ村では稲刈りの季節を迎えました。村人は家族総出で棚田に向かい、実った稲を丹念に刈っていきます。
マラサリ村では現在も伝統種の稲が栽培されており、稲刈りも穂刈り鎌を使って稲穂の部分だけを刈り取っていきます。
残念ながら農業の近代化によって、このような伝統的な稲刈りはジャワ島でも消滅しつつあります。
昔ながらの稲刈りは文化的にも貴重な遺産であり、マラサリ村のエコツーリズム開発においても、農村文化体験の観点から重要なアクティビティのひとつとなっています。
自然環境や伝統文化が残されているマラサリ村。我々のプロジェクトでは観光客に魅力的な体験を提供すべく、アクティビティの開発と充実したインタープリテーションのトレーニングを実施しています。
これまでの3か月の活動
ガイドブックは来年5月の完成を目指し、
多くの学生を巻き込んで調査を実施中です。
マラサリ村のエコツーリズムプログラムにおける一番人気は何といってもジャングルトレッキングです。地域住民がインタープリターとして活躍できるよう、これまでに何度も技術トレーニングを実施してきました。現在では25名のマラサリ村在住の若者が、インタープリターとして活躍しています。
プロジェクトでは、そんな彼らの活動をサポートするために必要なのがトレッキングルートのガイドブック作成に着手しています。ガイドブックの作成には県内の国立大学であるボゴール農科大学のエコツーリズム学科の学生と協働し、森の中で目にできる野生動物や住民によって利用されている林産物などのリストアップを行っています。
SATO YAMA UMIプロジェクトは、日本の3つのNGOによって6カ国で実施されていますが、それぞれの国での活動だけでなく、環境意識の高い日本の若者の人材育成も目的のひとつに挙げています。日本人学生をインターン生として各地のプロジェクト実施地に派遣し、現場体験を通じて環境問題への理解を深めるサポートをしています。
インドネシアでは、立命館大学3年生の那須優悟さんを1か月の間お迎えし、マラサリ村をはじめとする、様々な環境活動の現場を体験いただきました。
インターンシップを通じて得られた那須さんの経験は、2019年3月6日に開催される「SDGs ユースサミット2019」にて、報告が行われます。日本の若者がインドネシアの地で、どんな経験をし、何を感じたのか、ご関心をお持ちの方はぜひユースサミットにご参加いただけると幸いです。
次の3か月の活動
• 2018年10月から始まったガイドブック作成作業を継続します。地元の大学生の協力を得て、2019年5月の完成を目指しています。
• インドネシア国内の住民主体によるエコツーリズム実施の先進事例を学ぶべく、マラサリ村の若者代表によるスマトラ島の国立公園にスタディツアーを実施します。