国際目標への貢献

SATO YAMA UMIプロジェクトでは、対象となる現地コミュニティや都市部の若者、さらには一般への普及啓発に取り組みながら、生物多様性条約会議で採択された「愛知目標」および国連の持続可能な開発目標「SDGs」の達成に貢献することを目指しています。

持続可能な開発目標(SDGs)の促進

2015年に国連で合意した、持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年までに、貧困を撲滅し、持続可能な世界を実現するための国際目標です。17の目標と169のターゲットが掲げられ、生物多様性の保全に直接的に関わる目標も含まれることとなりました。 人材育成がテーマの本プロジェクトは、目標4「質の高い教育をみんなに」に関連しています。また、海洋と陸域の両方を対象とすることで、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」に貢献します。自然を活用した気候変動対策の実施は、目標13「気候変動に具体的な対策を」の一環となり、また、各地域の生物多様性や持続可能な資源利用の重要性に関する教育プログラムを開発し、実施することは、目標12「つくる責任、つかう責任」にあたる活動の一つです。

現地コミュニティが正しい知識を身に着け、また、適切な資源管理を実践していくことは、目標1「貧困をなくそう」につながります。また、プロジェクトでは、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に該当するジェンダーへの配慮がなされています。SATO YAMA UMIプロジェクトは、日本の3団体のほか、多数の現地パートナーとの協働のおかげで実施が可能になります。これらは、より良い世界のために様々な組織が連携する、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の活動そのものです。


持続可能な世界は、健全な自然環境なしでは成り立ちません。SATO YAMAUMIプロジェクトでは、自然環境を社会・経済を支える資本の一つとしてとらえる、自然資本の考えを元に、SDGsの達成に取り組みます。

愛知目標との関連性

2010年、生物多様性条約締約国第10回会議(COP10)で採択された「愛知目標」は、生物多様性の損失を食い止めるために2020年までに達成すべきこととして定められた20の目標です。2014年のCOP12(韓国・ピョンチャン)で発表された中間評価では、「取り組みの進捗はあるものの、目標達成には不十分」とされ、その達成率は約9%に留まっています。

SATO YAMA UMIプロジェクトでは、現地コミュニティに対し、自然環境がもたらす価値を正しく認識し、適切な資源管理に関するトレーニングなどの環境教育の実施をすることで、各ステークホルダーの理解を促進します(目標1、目標4)。そして、伝統的知識を継承し、共有するためのツール開発、プロジェクトの活動内容について、インターネットを通じて広く情報発信していきます(目標18や目標19)。プロジェクトには、絶滅危惧種の保全活動も含まれています(目標12)また、本プロジェクトは、COP10にて愛知目標とともに提唱された、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)により承認された協力活動でもあります。


図 地球に生きる生命の条約(IUCN-J作成)

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