2019年の第3四半期はマンタの組織サンプル採取とユースの啓発活動を行い、オークランド大学での遺伝子解析も始まりました。
過去3か月の活動:
マンタの組織サンプリングを完了させようと、ユーゴは最後のウベアでのフィールド調査に向かいました。
ウベア島の南北両端から連なる南北プレイヤード環礁の間では、多くのクリーニングステーションでごくわずかな数のマンタしか見られませんでした。十分な数のサンプルを集めるまで我慢と忍耐が必要でした。
ユーゴとチームメイトはザトウクジラの群れと一尾のオニイトマキエイ(Mobula birostris、外洋性でジャイアントマンタとも呼ばれる世界最大のエイ)に遭遇する幸運に恵まれました。
目撃した1尾のオニイトマキエイからサンプルを採取しました。この種は最大で幅8メートルにもなるのですが、ニューカレドニア沿岸で目撃されることはほとんどなく、過去数か月間でも3個体しか観察されていません。
ユーゴは、マンタの組織サンプルの遺伝子解析を進めるため、ニュージーランドのオークランド大学に移りました。地域間の関係を論ずるために、オーストラリアとフィジーで採取された組織サンプルについても解析していきます。
フィールドワークのうち、この写真識別の部分は、マンタの腹部を撮影してマンタ・イニシアティブのFacebookページ経由で報告してくださるボランティアの方々の多大な協力の下、引き続き進められています。ここ3か月間で、フォロワーの皆さんから送られた57枚の画像から新たに16個体が識別されました。これで、ニューカレドニア周辺で識別されたマンタは全部で344個体になります。
マンタ・イニシアティブはまだまだ皆さんからのご支援を必要としています。マンタについてもっと知りたければ、遠慮せずにFacebookページを見に来てください!もしニューカレドニア近くでダイビングをする機会があって、マンタを撮影されるなら、是非投稿してください!
Initiative Manta en Nouvelle-Calédonie
8月7日、トゥオのオーギュスタン・ティ高校でエコシチズンシップ・デーが開催されました。私たちマンタ・イニシアティブも、ウイト・アソシエーションに招待されこのイベントに参加してきました。元々マンタについてよく知っている高校生は、私たちの文化にとって大切なこの生き物に対して特に強い関心を寄せていました。私たちにとってこのイベントは、トゥオやその他地域のマンタに関する知見を共有する素晴らしい機会となりました。
次の3か月間の活動
今後3か月間、ユーゴはオークランド大学と共同して遺伝子解析に集中します。衛星タグから集められた、他では見られないマンタの習性データも、学術論文として投稿予定です。また、ヌメアの水族館と連携して、マンタ・イニシアティブによる普及啓発教材の開発も行います。