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気まぐれな風に対応しながらも、2019年の第二期は計画通りフィールド調査とコミュニケーション活動を行うことができました。その甲斐あって、ニューカレドニアでのマンタ保全の次なるステップに大きな安心感と期待を持って臨めそうです。
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過去3か月の活動:
年明けから直面してきた悪天候のせいで、フィールドワークはほとんど実施することができませんでした。ニューカレドニア周辺で吹き荒れた強風によって、海のコンディションが悪く現場に行くのが危険であったために、遺伝子サンプリングを進めることは困難でした。ユーゴは共同研究における遺伝子解析をリードするために8月15日にオークランドへと出発します。PhDの取得に向けて信頼に足る遺伝子解析結果を出すには、出発前に1つのサイトにつき20~25個体のサンプルを集めなければいけません。
4月には、計画していた10日間の調査のうち実施できたのはヌメアでの1日だけで、5個体のサンプルを採取できましたが、他のサイトではサンプリングができませんでした。
5月には、ヌメアで計画していた8日間のうち3日間のみ調査をすることができ、8個体の新しいサンプルを得ることができました。ウベアとトゥオでは多少ましな状況で、13日間にそれぞれ13個体、7個体のサンプルを得ることができました。
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すべてが計画通りに進まない時は常に辛抱が肝心のようで、6月は穏やかな天気に恵まれ、マンタの出現も多く、私たちの忍耐も報われました!たった2~3日の間に、トゥオでは全部で23個体、ヌメアでは24個体のサンプルを手に入れることができたのです。
フィールドワークの中の本パートは、マンタの腹部の写真を撮ってマンタ・イニシアティブのフェイスブックページにて報告してくださるボランティアの素晴らしいサポートのもと、未だ進行中です。過去3か月の間に、悪天候にもかかわらず送られてきた64枚の識別用写真から、新たに18個体が特定されました!これにより、計334個体がニューカレドニア周辺で個体識別されたことになります。
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マンタ・イニシアティブには引き続き皆さんの協力が必要です。もしマンタについてもっと知りたいとお思いでしたら、是非私たちのFacebookページを見に来てください。また、もしニューカレドニア周辺でダイビングをする機会があり、マンタの写真を撮影されるなら、是非投稿してください!
Initiative Manta en Nouvelle-Calédonie
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6月8日に、ヌメアのカナール島で世界海洋デーが開催されました。
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マンタ・イニシアティブはマンタ保全に関するスタンドを出展しました。一日を通じて、300人を越える人々が私たちのスタンドに立ち寄ってくれました。このイベントは、ラリーオーシャンズゲームに参加した各世代の参加者たちと意識を共有し、また意識を高められる、素晴らしい機会でした。
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ラリーで勝利するためには、各スタンドで答えを見つけなければいけません。マンタ・イニシアティブからのクイズは、PhD取得の過程でユーゴが出会った世界的発見に関するものでした。「ニューカレドニア周辺で見つかったマンタで初めての発見はどんなことでしょうか? 1:これまでで一番大きい 2:真っ白なマンタ 3:これまでで一番深い」 答えは3です。それはマンタ観測史上最深となる、672mもの潜行記録でした!
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6月4日に、ユーゴはTerre Passion on Nouvelle Calédonie 1ère ラジオにゲストとして出演しました。このラジオショーは自然環境保全の意識を高めるための番組です。生放送による45分間のインタビューの間に、ユーゴはマンタの生態と、マンタについてもっと学ぼうとしている自身の取り組みを説明しました。
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下のリンクから、インタビューを視聴することができます。聞きたい日付を入力してください。(フランス語のみ)
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次の3か月間の活動
遺伝子サンプリングを完了させるべく、7月も引き続きウベアでの追加のフィールドワークに注力していきます。
8月7日と8日にトゥオで行われる環境市民デーにユーゴが参加します。今後も一緒にコミュニケーション活動を続けていきます。
なお、ユーゴは今後6か月にわたってオークランド大学との共同研究で行う遺伝子分析をリードするため、8月にニュージーランドへと発つ予定です。