ニューカレドニア
Activity Report from New Caledonia Vol.03 (2018 April - June)
from マエル・イミリザルドゥ (CIニューカレドニア)

活動レポート(2018年4月~6月)

Overview

この期間は、コミュニケーション関係のイベントが盛りだくさんでした。マンタを“サンゴ礁の大使”として取り上げし、我々のマンタ・イニシアティブを紹介する「ニューカレドニア~珊瑚海の母(英題:Mother of Coral Reefs)」というフィルムを上映し、盛況でした。このフィルムはマンタの保全の重要性を効果的に伝えるツールであると同時に、我々の活動にもっと多くの人を巻き込むためのフェイスブックを紹介する絶好の機会となりました。その後は、新しいマンタのID写真が、これまでつながりが無かった人たちからも日々届くようになり、データベース構築は順調に進んでいます。

フィールドワークの調整は順調に進んでいるものの、ロジ面で少し遅れがみられます。しかし、プロジェクト主担当の学生ユーゴは今年後半の本格的なフィールドワークの準備万端です。一方、修士2年のソルベンは、マンタの行動と環境要因の関係を明らかにする素晴らしい成果を上げてインターンシップを終了し、無事にニューカレドニア大学修士課程を卒業しました。

※3回目の活動報告書(フランス語)
https://www.docdroid.net/NnrkjCd/rapport-semestriel-s3-2018-fr.pdf

過去3か月の活動:
写真判別

過去数か月、地元メディアやソーシャルメディア、公開イベントを通じてマンタ・イニシアティブを広報した結果、よりたくさんの人たちがマンタについて知り、どうしたらイニシアティブを支援できるかが知られるようになっています。

協力者は増え続け、現在は100名に達しています。6月末現在、283頭のマンタが確認されており、前回の報告から32頭増加しています。

ユーゴは、写真IDで人気の高いウベア島に行きました。世界自然遺産であるこの島の南にはムリ岬があります。ここは何度でも行きたくなる素晴らしい場所です。なぜなら、新しいマンタを見つけることが非常に簡単なうえ、びっくりすることも多くあるからです。今回は、水深12mにあるマンタのクリーニングスポットの上にGoProカメラを設置しました。カメラは5秒に一回自動撮影するように設定していました。設置から2時間ほど後に戻り、結果を確認しました。

教育とフィールドワーク

修士2年のソルベンが、インターンシップを終了しました。彼女はこの6か月間、潮の干満、海流、視界、風、雨、明かり、水深などの外的要素と、マンタの居場所や行動との関係を研究していました。この調査により、マンタは、満潮、流れ込む海流(外洋からラグーンに向かう流れ)西風があると姿を見せないことが分かりました。逆に、干潮、中程度から強い流れ出る海流(ラグーンから外海に向かう流れ)があるところには多くのマンタが見られます。世界の同様な研究から、プランクトンやその他の環境要因がマンタの存在と関係しているらしいといえるでしょう。

ユーゴが、ニュージーランド・ウェリントンで6月に開催された保全生物学会の海洋会議に参加しました。そこは最新の研究結果を発表する絶好な機会でした。また、いろんな人と交流ができ、遺伝子解析に関する情報を得たり、研究所との協力についても議論することができました。オークランド大学の遺伝子研究所と研究者とつながることもできました。


ニュージーランドで開催された、海洋保全学会にて
コミュニケーション

今年5月、新たなフィルム「ニューカレドニア~珊瑚海の母(英題:Mother of Coral Reefs)」https://www.youtube.com/watch?v=-EYOwk6SjF8&t=92s)がリリースされました。目を見張るほど美しいシーンと、ニューカレドニアの自然と密接なつながりをもつ現地の人々の声が満載の15分程度の素晴らしい映像です。

初めての上映は、2日以上にわたりウベア島で開催された“Education and Family”フェスティバルの終わりにモウリ族へ公開されました。上映は、ビーチ周辺のオープンエアで行われ、100人以上が集まり、
草の上に座って、映像を鑑賞しました。そして、彼らにとっては再会のような映像の上映中、知っている顔が写ると、歓声が聞こえました。またユーゴは、来週中学校を回り、写真と動画入りのUSBを配布する予定です。


ビーチで映像鑑賞

映像はその後、ニューカレドニアフィルムフェスティバルで15分のトークセッションとともに上映され、300人ほどが集まりました。地元ニュースペーパーやTVも取材に訪れていました。


地元新聞にプロジェクトが紹介された

そして、ついにマンタ・イニシアチブでは、専用のフェイスブックアカウントを開設しました!これまでのところ、291人のフォロワーがいて、日々アップされるマンタに関するグローバルな問題や活動内容をチェックしています。このフェイスブックアカウントはまた、人々からマンタの写真を送ってもらうための良いプラットフォームでもあります。

https://www.facebook.com/initiativemantaNC/

この間に本プロジェクトパートナである、ラグーン水族館は、それまで開催していた「Sharks and Mantas」展示イベントを終了しました。この展示は、繰り返しになりますが、3か月にわたって開催されたこのイベントは、マンタの現状を人々へ伝え、また、有益な情報交換ができる本当に素晴らしい機会でした!

最後に、私たちは5月に開催されたPew財団主催の「The World Ocean Day」イベントに参加しました。イベントには、海洋保護区の国々から2日間で1000人以上が集まりました。

次の3ヵ月間の活動

これからの3か月も相変わらず忙しくなります!ラグーン水族館とニューカレドニア大学の協力を得ながら、ユーゴはGo-proの装置を使ってドローンを飛ばし、いくつかのマンタの遺伝子サンプルを取得する予定です。
私たちは、ウベア島からニューカレドニア島東部のタウホに戻り、まずは南西部ラグーンに焦点をあてて、調査を開始していきます。この、初の遺伝子研究ラボの構築に数か月は私たちの活動は注力していきます。次回はさらにより良いニュースをお届けできることを期待しています。
いつも応援ありがとうございます。

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